女性の間で注目されてる「よもぎ蒸し」と「モリンガ蒸し」の違い
ここ最近、よもぎ蒸しやモリンガ蒸しが女性の間で注目されています。どちらも食物繊維やクロロフィル、鉄分などを多く含み薬草として用いられてきた点が共通しています。では、この2つはどう違うのでしょうか。本記事では、よもぎ蒸しとモリンガ蒸しについて解説し、それぞれの違いについても触れています。よもぎ蒸しやモリンガ蒸しに興味のある人は、本記事を参考にしてください。
よもぎ蒸しとは
よもぎ蒸しは、よもぎの葉を煮立たせて発生した蒸気を、粘膜から吸収させて体を温めるものです。よもぎ葉の成分をしっかり摂取して、多くの女性が悩んでいる「冷え」を改善するのに役立ちます。女性の体に、もともと備わっている「健康と美」を引き出すのに、よもぎ蒸しは適していると言えるでしょう。よもぎ蒸しは発汗作用を促進し、肌荒れや月経トラブルなど、女性特有の悩みを改善します。
また、よもぎ蒸しは免疫力を高め、ダイエットや便秘解消、むくみ改善などの効果があり、妊活にも効能を発揮します。よもぎ蒸しは大量に汗をかくので、リフレッシュ効果やデトックス効果も、期待できるでしょう。ちなみに、よもぎ蒸しの蒸気を膣や肛門などの粘膜から吸収させると、皮膚から吸収させるのと比べて、実に42倍もの吸収率があると言われています。つまり、よもぎ蒸しには、それだけの効果があるということです。
韓国の民間療法
よもぎ蒸しはもともと、韓国の民間温熱療法で、600年も前から用いられてきました。韓国でよもぎ蒸しが始まったのは、女性の産後の肥立ちをよくするためでした。産後の肥立ちとは、出産した女性が元の体に回復することを指すものです。今ほど医療が発達していなかった時代は、産後の肥立ちが悪いと、命を落とすことも少なくなかったのです。そのため、出産直後の女性のいる家庭では、よもぎ蒸しが多く用いられていました。
よもぎ蒸しが産後の肥立ちに効くということは、婦人科系全般に効果があるということなので、徐々に広まっていったようです。よもぎは日本でも、古くから民間療法薬として使われています。擦り傷や切り傷などの外用のほか、下痢止めの内服薬としても効果が認められています。
髪の毛ツヤツヤ効果
よもぎ蒸しはマントを頭からかぶるため、髪の毛にもよもぎの蒸気が行き渡り、頭皮の血行がよくなるので、健康なツヤツヤした髪になります。つまり、よもぎ蒸しは、薄毛や抜け毛などの改善にも役立つのです。
よもぎ蒸しの効能
よもぎ蒸しはまず、裸の上にマントをかぶって椅子に座ります。よもぎは火で蒸した状態で、マントの中に入れておきます。椅子には穴があいており、そこからよもぎの蒸気が出てくる仕組みです。よもぎの蒸気は、皮膚や粘膜から体の中に浸透し、体を芯から温めていきます。まず腸や子宮などの内臓が温まり、体全体が温まって大量の汗をかきます。
よもぎ蒸しはこのような手順で行い、体の中の毒素を排出するので、健康な体を取り戻せるのです。よもぎ蒸しにはさまざまな効果があるので、以下の通り一覧表にまとめてみました。
血流改善
よもぎ蒸しは、マントをかぶって行うので、マントの中はサウナ状態となるため、体が温まり血流が改善します。血流が滞ると体にいろんな障害が発生するので、血流改善は健康な体のためには不可欠です。
代謝アップ
血流が改善すると体が温まるので、内臓の働きがよくなります。内臓が温まることにより、冷え性も改善され、基礎代謝がアップするのでダイエット効果も期待できます。ちなみに、よもぎ蒸しでダイエットすると、リバウンドしにくい体になるということです。
アンチエイジング効果
よもぎ蒸しにはデトックス効果があり、体内の老廃物が排出されるので、美肌によくアンチエイジングに役立ちます。
自律神経が整う
ストレスが溜まると自律神経が乱れ、体調不良の原因になったり、精神的な不調も招きやすくなります。よもぎの葉には精神を鎮める効果があるので、リラックスして自律神経を整えることにより、さまざまな症状を改善することができます。
ストレス解消
リラックス効果のあるよもぎ蒸しは、ストレス解消にも役立ちます。イライラしたり怒りっぽくなったときは、よもぎ蒸しで解消しましょう。
体臭改善
よもぎ蒸しには、体臭を改善する効果もあります。女性の中には、デリケートゾーンの臭いを気にする人も少なくありませんが、体の臭いはよもぎ蒸しで改善することができます。よもぎには消臭効果があり、菌の増殖によって発生する臭いを抑える効果もあります。
婦人科系疾患の改善
よもぎ蒸しは、女性特有の婦人科系の症状にも効果があります。よもぎ蒸しで体を温めると、骨盤付近の血行がよくなるので、子宮や卵巣などの働きを活性化します。そのため、生理痛や生理不順が改善し、子宮筋腫などの予防にも役立ちます。
産後回復と妊活
よもぎ蒸しは子宮周辺を温めるので、産後回復を早めるとともに、妊活にも効果があります。妊活が必要なのは、妊娠しにくいからです。よもぎ蒸しによって子宮や卵巣の働きがよくなると、妊娠しやすい体になります。
よもぎ蒸しの注意点
よもぎ蒸しは、生理中の女性にはおすすめできません。また、体を温めてはいけない疾患のある人や、発熱を伴う疾患や炎症などの症状のある人は、よもぎ蒸しによって症状が悪化することもあるので、注意しましょう。また、自宅でよもぎ蒸しを行う場合は、以下の点に注意してください。
水分と塩分補給
よもぎ蒸しは大量に汗をかくので、水分をこまめに補給しましょう。いつでも飲める場所に、ペットボトルなどを置いておくことをおすすめします。水は常温のほうがいいでしょう。水には1リットル当たり、2グラムの食塩を入れて食塩水にすると、さらに効果的です。また、よもぎ蒸しで疲れを感じたら、糖分も補給しましょう。糖分補給にはハチミツがおすすめです。
部屋の温度
部屋の温度は、薄着になっても寒くない温度に設定しましょう。エアコンで25度~27度くらいにすると、よもぎ蒸しに適した温度になります。
冷やしたタオル
のぼせやすい人は、冷たいタオルをおでこに当てながら行ってください。よもぎ蒸しの前に、濡れたタオルを何本か、冷蔵庫でキンキンに冷やしておくといいでしょう。
よもぎ蒸しの時間と頻度
よもぎ蒸しにはさまざまな効果がありますが、長時間続ければ高い効果が得られるわけではありません。むしろ、体が疲れて逆効果になることもあります。そこで、1回あたり30分~1時間くらいを目安にしましょう。よもぎ蒸しの頻度は、冷え性などの体質改善やダイエットが目的なら、週2~3回程度行ってください。デトックス効果のためなら週1回、妊活が目的なら生理が終わってから、排卵日までの期間に行うのがおすすめです。
モリンガ蒸しとは
モリンガ蒸しは、よもぎ蒸しのよもぎの代わりに、モリンガを使うものです。モリンガには、豊富な栄養素が含まれているので、さらに高い効果が期待できます。モリンガには蛋白質やミネラルなど、90種類以上の栄養素と46種類の抗酸化物質が含まれており、世界で最も栄養価の高い植物です。
体質改善やアンチエイジングに効果があり、デトックスの効能も認められています。モリンガもよもぎと同様に、婦人科系の症状に効果を発揮するので、産後の回復にも適しています。モリンガ蒸しは、よもぎ蒸しとほぼ同等の効能がありますが、モリンガ蒸しのほうが効果を実感できるという人も、少なくないようです。
モリンガ蒸しの効能
モリンガ蒸しは、よもぎをモリンガに置き換えたもので、ほぼ同等の効果があります。モリンガ蒸しを行うと血行がよくなり、内臓から温まるので体全体が温まり、冷え性の改善に役立ちます。また、リラックス効果やデトックス効果もあり、アンチエイジングにも役立ちます。では、モリンガ蒸しにはどのような効能があるのか、以下の一覧表にまとめました。
腸内環境を整える
モリンガには、多くの食物繊維が含まれているので、腸内環境の調整に役立ちます。腸内環境が乱れると、癌や糖尿病になるおそれもあるので、おそろかにはできません。また、モリンガ蒸しによって排便がスムーズになるので、ダイエットにも効果があります。
アレルギー症状の緩和
アレルギー症状を緩和するには、アミノ酸やビタミン、ポリフェノールなどが有効ですが、モリンガにはこれらの成分が豊富に含まれています。
健康な体を作る
健康な体を作るには、抵抗力を高める必要があります。モリンガに豊富に含まれるビタミンAには、抵抗力を高める作用があります。
ダイエットに効く
モリンガに多く含まれるアミノ酸は、脂肪を燃焼するのに適しているので、ダイエットに効果があります。モリンガには、体内では作れない必須アミノ酸9種類を含む、19種類のアミノ酸が豊富に含まれています。
アンチエイジング効果
老化物質である活性酸素を分解するには、ポリフェノールが効果的です。モリンガには、多くのポリフェノールが含まれているので、いつまでも若々しく健康でいられます。
リラックス効果
ストレスを抱えていると、自律神経が異常をきたし、心の健康を害することがあります。モリンガに多く含まれるギャバは、興奮系神経伝達物質の分泌を抑え、リラックス効果を発揮します。
貧血予防
モリンガには、貧血に有効な鉄分が豊富に含まれています。鉄分が不足すると、貧血になるだけでなく、女性特有のイライラやだるさ、不安感などの症状を引き起こします。
モリンガ蒸しの注意点
モリンガ蒸しを行う際は、モリンガの摂取量に注意しましょう。特に妊娠中の方は、摂取量をしっかり守ってください。モリンガには、血糖値や血圧を下げる働きがあるので、血圧降下剤を服用している方は、低血糖や低血圧になるおそれがあります。また、モリンガ蒸しを始めると、便がゆるくなったり体のだるさを覚えたり、肌荒れの症状が出る場合があります。
これらはすべて、モリンガの効果が表れてきた証拠で、慣れてくると症状が消えるので心配することはありません。これらの症状は好転反応と呼ばれるもので、モリンガの効果に、一時的に体がついていけないために起こるものです。通常、好転反応は数日程度でおさまります。
よもぎ蒸しとモリンガ蒸しの違い
よもぎ蒸しとモリンガ蒸しには、共通点が多いのですが、それぞれ特有の特徴も持ち合わせています。まず共通点として挙げられるのは、どちらも便秘解消に役立つということです。また、どちらも多くのクロロフィルを含んでいるので、造血作用を促進し、貧血の予防に効果があります。
よもぎにもモリンガにも、子宮と膣を収縮させる作用があるので、産後の回復に役立つのも共通した特徴と言えるでしょう。ちなみに、ダイエットやアンチエイジングに効果があるのも、両方に共通しています。
よもぎ蒸し固有の特徴
よもぎにはビタミンKや葉酸が多く含まれており、血液を清浄にする効果があります。ビタミンKには造血作用があり、止血効果もあります。葉酸には赤血球の生産を促進し、細胞の再生を助ける作用があります。また、よもぎに含まれる香り成分のシネオール、αツヨンには、精神を安定させる効果があります。さらに、香りが柔らかく子宮がよく温まる感じがしたり、肌がしっとりするのもよもぎ蒸しの特徴です。
モリンガ蒸し固有の特徴
モリンガ蒸しには、よもぎ蒸しとほぼ同等の効能がありますが、モリンガ蒸し固有の特徴もあります。まず、モリンガ蒸しは温まりやすいのが特徴です。人によっては、ふくらはぎがよく温まると感じたり、丹田が温まると感じたりすることもあります。また、腸が温まって便通がよくなったり、筋肉が温まって凝りが取れることもあるようです。また、モリンガ蒸しは発汗作用が高い点も、特徴として挙げられます。
よもぎ蒸しとモリンガ蒸しの特徴をまとめると、以下のようになります。
よもぎ蒸しの特徴 | モリンガ蒸しの特徴 |
造血作用、止血効果、赤血球の生産促進、細胞の再生をサポート | ー |
精神安定効果 | ー |
子宮がよく温まる | 体が温まりやすい |
肌がしっとりする | ー |
ー | 腸が温まって便通が改善 |
ー | 筋肉が温まって凝りが解消 |
発汗作用 | 高い発汗作用 |
まとめ
よもぎ蒸しとモリンガ蒸しには共通点が多く、効能もほとんど同じですが、若干の違いもあるようです。どちらも、蒸した蒸気を粘膜から吸収して、内臓を温めることにより体全体を温めるので、女性特有の冷え性などに効果があります。また、産後の回復を早める作用もあるので、韓国では古くから、産後の女性によもぎ蒸しを行っていたようです。モリンガ蒸しはよもぎ蒸しを原型として、よもぎの代わりにモリンガを用いたものです。
モリンガは栄養豊富で食物繊維も多いので、腸内環境を整え健康増進に役立つなど、よもぎ以上の効能を発揮しています。よもぎ蒸しとモリンガ蒸しの、どちらが優れているかという点については、どちらも甲乙つけがたいため、それぞれの好みによって分かれると言っていいでしょう。